固定資産税の未評価家屋 2013~19年度に168件
軽井沢町は7月11日、2013〜19年度に建築確認申請があった家屋のうち、168件(新築136、増築18、車庫などその他14)で固定資産税の未評価家屋があることを明らかにした。同日の会見で「全容を調査している段階」とした上で、共に今年から着任した土屋三千夫町長、税務課長が経緯や再発防止策について説明。町長が「住民、納税者の信頼を損ねる結果を招いた」として陳謝した。
通常の家屋調査・評価の流れは、地域整備課が受けた建築確認申請などの書類を税務課へ回付。税務課から家屋所有者へ調査依頼の通知を送り、家屋の完成のタイミングで使用部材などを職員が調査・評価。固定資産税額のもととなる、再建築費、固定資産評価額を求める。
今回のケースでは、書類が税務課に回付された段階で業務が滞り、キャビネットの段ボールから処理途中、未処理の書類が見つかった。町は対象家屋の所有者に対し、7月中にお詫びと家屋評価の通知依頼を行い、10月中に全該当世帯へ納税通知書の発送を完了させるという。
人員体制など見直し、再発防止へ
今回の事案を招いた要因について、町はチェック体制の不備、人員体制の問題、職員個々の役割に対する認識不足を挙げた。家屋評価には3人の職員が従事しているが、「人口に対する建築確認申請の件数が、他の市町村に比べ軽井沢町は多い。評価に時間を要する特殊な建物も多く、業務量に対して人員が適正ではなかった」(税務課長)などと話した。
今後は、システム監査に詳しい公認会計士ら第三者機関による点検・改善、人員配置についても検討するとし、町長は「二度とこのようなことが無いよう、業務を通して職員の意識改革を図っていく」と話した。
この日、町は22年9月にも17〜20年度の未評価家屋8件を確認し、当時の藤巻町長らに報告があったと説明。担当職員を処分したが、公表はしていなかった。8件はその後、評価を行い課税されている。
町長、担当課長らが経緯を説明し陳謝した。