旧軽銀座ホテルの計画を巡り、地域住民ら 二千人超の署名と要望書提出
旧軽井沢銀座の挙式施設跡地で、東急不動産(東京都渋谷区)が進めるホテル建設計画について、近隣住民の有志と、別荘住民らでつくる「旧軽井沢の歴史と景観を守る会」が「もっと小規模で周囲の景観に調和した建物に」と要望している。2月20日、土屋三千夫町長と面談し、ホテルの計画変更を求める2156人分の署名を提出。自然保護対策要綱に基づく厳格な指導を町に求めた。町長は面談後の取材に「皆さんが懸念する点は理解した。要綱の厳格な遵守というところを見ていく」と話した。
東急不動産は2022年8月から今年2月にかけ、近隣住民向けに説明会を計5回実施。計画によると、ホテルは鉄筋コンクリート造地上3階、地下1階。敷地面積は約4148㎡で、高さ12・95m。部屋数は65。開業日は決まっていない。
計画地は近隣商業地域で、長野県が認定する景観育成住民協定のエリア内にある。住民側は「通りからは巨大な壁のように見えるため2階建てにすること」「周囲と調和のとれた建物にすること」などの要望があがった。
東急不動産は、建築面積を縮小し5部屋減らすなどの変更案を示したが、旧軽井沢の歴史と景観を守る会メンバーで筑波大学名誉教授の谷村秀彦さんは「根本的には何も変わっていない。軽井沢らしい『泊まってみたい』と思えるホテルを造ってほしい」。東急不動産は「計画は国が定めた建築基準法、軽井沢自然保護対策要綱に則っている」「2階建てでは採算性の面が難しい」としている。
周辺住民の代表者が土屋町長に、署名とともに要望書を提出した。