安中市教委、中山道の整備基本計画まとめる 県境までの8㎞整備へ
群馬県の安中市教育委員会は、軽井沢町の峠町へ続く中山道約8㎞(国道18号カーブ9--熊野神社)の整備に向け、「歴史の道中山道碓氷峠越整備基本計画」をこのほど策定した。早ければ来年度から整備に着手し、道の形や遺構の一部を復元。歩きやすい環境を整え、全区間の整備を2030年度までに終えるスケジュールだ。国史跡指定も24年度までに目指すという。
基本計画策定に向け、18年に検討委員会を設置。同区間に残る「堂峰番所跡」「刎石茶屋跡」などの歴史資産や道筋の保存、活用のため準備を進めてきた。過去の文献や絵図を参考に現場を歩き、江戸時代に使われた道筋を分析。別荘開発で道が改変している約250㍍の区間だけ不明のままだが、他の部分は特定した。
計画では、水害による侵食が激しい場所に排水対策をし、滑りやすい斜面に階段などを設置する。道を横切る小川は、木や石など自然素材を使った横断方法を検討。危険箇所には防護柵や注意喚起のサインなども設ける。途中にトイレも設置予定だが電気、ガス、水道などのインフラ整備がないため、「どんなタイプがいいのか研究、検討していく」(教委担当者)としている。
写真:明治天皇御巡幸の際、御膳水となった中山道の碓氷水源地(安中市)。倒木が上を覆っている。(4月撮影)