約90年前の板図が見つかる
室生犀星記念館から見つかった板図。(軽井沢町教育委員会提供)
作家の室生犀星が夏を過ごした旧軽井沢の山荘から、1931年の建設当時の図面を示したと思われる板図が見つかったことが、軽井沢町教育委員会への取材でわかった。山荘は現在、室生犀星記念館として町が管理し、老朽化による改修工事を昨秋から進めていた。板図は大工が家を建てる際、板に墨で描く施工用の図面のことで、建物全体の間取りや、柱、壁、開口部の位置などを示している。
教育委員会によると、板図は台所の壁板を剥がした裏から、壁の一部として使用された状態で出現。サイズは縦22㌢、横45㌢、厚さ6㍉。建てられた当時、新築の建物に廃材を再利用するケースは多く、「板図が壁に使えるちょうどいい大きさだったのではないか」と同委員会の担当者は推測する。図面は、現在の建物の作りとは異なっていて、その後どう増築が行われたかを知る手がかりにもなりそうだ。
さらに、鉄板葺きの下に、薄い板を重ねた杮葺きが残っていたことも明らかになった。杮葺きは犀星が暮らしていた当時の形状で、1956年発表の随筆「誰が屋根の下」でも、葺き替えの様子を書いている。今回の改修では杮葺きを残し、上から銅板葺きにする。最初はきらきらするが、しばらくすると、これまでの鉄板よりも杮葺きに近く見えるという。
改修は1997年に町が寄贈を受けた直後に、簡単な補修を行って以来で、費用は約4470万円。工期は7月24日までを予定。改修終了後に開館し、今回見つかった板図も一緒に展示する。
教育委員会によると、板図は台所の壁板を剥がした裏から、壁の一部として使用された状態で出現。サイズは縦22㌢、横45㌢、厚さ6㍉。建てられた当時、新築の建物に廃材を再利用するケースは多く、「板図が壁に使えるちょうどいい大きさだったのではないか」と同委員会の担当者は推測する。図面は、現在の建物の作りとは異なっていて、その後どう増築が行われたかを知る手がかりにもなりそうだ。
さらに、鉄板葺きの下に、薄い板を重ねた杮葺きが残っていたことも明らかになった。杮葺きは犀星が暮らしていた当時の形状で、1956年発表の随筆「誰が屋根の下」でも、葺き替えの様子を書いている。今回の改修では杮葺きを残し、上から銅板葺きにする。最初はきらきらするが、しばらくすると、これまでの鉄板よりも杮葺きに近く見えるという。
改修は1997年に町が寄贈を受けた直後に、簡単な補修を行って以来で、費用は約4470万円。工期は7月24日までを予定。改修終了後に開館し、今回見つかった板図も一緒に展示する。